若い頃、ヨーロッパに住んでいたとき、通りすがりの人間からよく「日本人の馬鹿野郎!」とか「アジアに帰れ!」などと罵声を浴びせかけられました。

その話を人にすると、「そんなことをいわれて、随分と傷ついたでしょうね」などと同情されますが、別に傷つきなんかしませんでした。

その程度のことでいちいち傷ついていたら、ヨーロッパなんかに住めませんヨ!

それよりも不愉快だったのは、レストランに入ってもウェイターが中々、注文を取りに来ないとか、一見してサベツのようには見えない、巧妙で陰湿なやり方でサベツされることでした。

こういう形のサベツをする人間というのは、サベツは良くないということがちゃんとわかっていて、サベツされたと言いがかりをつけられないようにサベツをするわけですから、こっちの方がよっぽど悪質です。

それに較べると面と向かって「日本人の馬鹿野郎!」とはっきりいう人間の方がまだ可愛げがあるというか、少なくとも直接、悪口を言われた場合には、こちらも言い返すことができますし、

そういう言葉を口にする人間というのは、スキンヘッドの若者とか外国人に仕事を奪われて失業中の労働者とか、その国の社会の底辺の階層を構成している連中が多く、「可哀想な奴だ」と相手にせずに無視することができます。

いずれにせよ、私は、人間というのはほかの人間を差別しなければ生きていけない哀れな動物だと思っています。

人間は「あいつに較べりゃ、俺の方がまだマシだ」と思える人間がいないと生きていけないのです。

ジャックの談話室 : 差別について (via iiiroha)